弁護士になるための予備試験とは?試験内容や合格率・難易度について解説!

弁護士を志す人にとって、予備試験は夢を叶えるための第1の試練となることがあります。予備試験は将来の法曹キャリアを築くための入り口であり、突破は容易ではありません。しかし、その後の司法試験について考えると躓いてもいられません。本記事では、弁護士になるために突破すべき予備試験に関して、試験内容や合格率を含めた難易度について詳しく解説します。

予備試験(司法試験予備試験)とは?

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予備試験(司法試験予備試験)とは、国家試験である司法試験の受験資格を得るために受ける試験です。そもそも弁護士など法律の専門家である法曹(弁護士・裁判官・検察官)になるには、司法試験に合格しなければなりません。そして司法試験を受けるための方法は2つあります。そのうちのひとつが予備試験に合格することです。ちなみにもうひとつの方法は、大学卒業後に法科大学院に入学し、全てのカリキュラムを修了することです。予備試験は、法科大学院に通う時間的・金銭的余裕がない方でも弁護士を目指せる、もうひとつの道になっています。

予備試験の受験資格・試験内容・日程は?

以下では予備試験についてより詳しく理解してもらうために、予備試験の受験資格・試験内容・日程について説明します。まず予備試験の受験資格についてです。予備試験の受験資格には制限がなく、年齢・学歴・国籍などを問わずに誰でも受けられます。法科大学院を卒業していない方はもちろん、4年制大学を卒業していない方や高校生でも試験を受けることが可能です。また予備試験には受験制限もないため、受かるまで何度でも受けられます。次に予備試験の試験内容について説明します。

予備試験は全部で3種類の試験があります。短答式試験・論文式試験・口述試験の順番で構成されており、ひとつの試験に合格することで次の試験の受験資格が得られます。ここからはそれぞれの試験の詳細について解説します。予備試験の中で1番最初に受けるのが短答式試験です。短答式試験は毎年7月に行われ、8月頃に合格発表がされます。科目構成は、法律基本科目と一般教養科目の2つで構成されています。さらに法律基本科目は7科目(憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法)、一般教養科目は4科目(人文科学・社会科学・自然科学・英語)あります。短答式試験の解答形式は、マークシート方式の択一式です。法律基本科目は、各科目10問から15問程度出題されます。

一般教養科目は、40問程度の出題の中から20問を選択して解答を行います。短答式試験の合格率は20%前後です。次に論文式試験について解説します。論文式試験は、短答式試験に合格すると受けられる試験です。論文式試験は毎年9月に2日間実施され、12月下旬に合格発表が行われます。科目構成は、法律基本科目・法律実務基礎科目・選択科目の3つから構成されています。さらに法律基本科目は7分野(憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法)、法律実務基礎科目は2分野(民事訴訟実務・刑事訴訟実務及び法曹倫理)を含みます。また選択科目は、8分野(倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際公法・国際私法)の中から1科目を選択して受験します。

論文式試験の解答形式は記述式です。それぞれ約1時間から3時間以上かけて解答を行います。論文式試験の合格率は20%前後です。最後に口述試験について説明します。口述試験は論文式試験に合格した後に受けられる、予備試験で最後の試験です。口述試験は毎年1月下旬に2日間行われ、2月上旬に合格発表がされます。口述試験の科目は法律実務基礎科目のみで、さらに民事と刑事の2科目に分かれています。解答形式は口頭試問で、事案を与えられてその場で答えなければなりません。法律に関する知識はもちろん、迅速な理解力・分析力・判断力や、冷静さなどの精神力も必要です。

口述試験の合格率は95%以上です。最後に、予備試験の3つある試験の中で、途中で不合格になってしまった場合の説明をします。最初の短答式試験で合格した後、論文式試験や口述試験に落ちてしまった場合、翌年はまた最初に行われる短答式試験から受け直す必要があります。予備試験には、合格した段階までの試験免除措置がありません。そのため1度不合格になってしまった場合は、翌年また最初からやり直さなければなりません。

予備試験の難易度・合格率は?司法試験とどちらが難しい?

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予備試験に合格するのはどのくらい難しいことなのでしょうか。以下では予備試験の難易度・合格率や、司法試験とどちらが難しいかについて解説します。まず予備試験の合格率は3%から4%であり、極めて低い水準と言えます。しかしこの合格率の低さには理由があり、しっかり勉強すれば合格できます。予備試験の合格率が低い理由には、受験生の本気度が関係しています。予備試験は受験資格に制限がなく誰でも受けられるため、記念受験をする人が一定数います。また社会人として働きながら勉強している人も多いため、勉強不足な人もいます。予備試験の受験生は全員が勉強漬けの生活を送ってきた訳ではなく、受験生の母数に対して本気で受かろうとしている人が少ないです。

そのため合格率が低くなってしまっています。次に、予備試験と司法試験はどちらが難しいのか説明します。結論から言うと、予備試験と司法試験では司法試験の方が難しいです。合格率を見ると予備試験は4%なのに対して司法試験は45%程度と、司法試験の方が簡単に見えます。しかし司法試験は最終到達点であり、予備試験はあくまでも通過点です。司法試験には受験資格がありそれは最低でも1年かけないと取れないこと・問題自体も司法試験の方がより長く高度であること・試験は5日間連続で行われ5回までしか受けられないためプレッシャーを感じることなどから、司法試験の方が予備試験よりも難しいと言えます。

予備試験合格に必要な勉強時間は?独学で合格可能?独学合格のポイントは?

予備試験に合格するために必要な勉強時間はどれくらいでしょうか。また独学で合格は可能なのでしょうか。以下ではこれらのテーマについて解説します。まず予備試験に合格するために必要な勉強時間は、最低でも5,000時間と言われています。学生で1週間に40時間(1日に8時間)勉強できる場合は2年半、社会人で1週間に30時間(平日に2.5時間・休日に9時間)勉強できる場合は3.25年で、予備試験合格に必要な勉強時間に到達します。では数年かけて勉強をして、予備試験に独学で合格できるのでしょうか。

答えは、不可能ではないが難しいのであまりおすすめしない、です。法学の知識や予備試験の対策ノウハウがない中での勉強は難しく、何をすればいいのか、この勉強法で合っているのか不安になってしまいます。そのため独学よりも予備校に通った方が、効率の良い勉強ができます。それでも予備校に行かずに予備試験を独学で合格したいという人には、いくつかのポイントがあります。ひとつめは予備試験の情報収集をして対策を徹底すること、2つめはインプットは最小限でアウトプットをたくさんすること、3つめは独学で予備試験に合格した人をマネすることです。これらのポイントを守れば、独学での予備試験合格も夢ではありません。

予備試験に合格して、相模大野総合法律事務所で弁護士になろう!

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